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① コチャルメルソウ
江戸時代中国から伝来したラッパをチャルメロといって、それに似ているからチャルメルソウというらしい。魚の骨のような花びらの切れ込みはウーパールーパーの鰓(えら)のようでもあり、風変わりな形だ。
コチャルメルソウ高さ20㎝~30㎝だが、ほかにチャルメルソウ、オオチャルメルソウという仲間がいて30㎝~50㎝くらいで少し大きめらしい。
ユキノシタ科 チャルメルソウ属
②ミチタネツケバナ
タネツケバナとの違いが分からず、最近になってミチタネツケバナの実の鞘が花よりも高く伸びるのが分かった。名前の由来は、苗床をつくる種籾を水につける頃に咲くからと言われている。ほかに実の弾ける勢いが「種付け馬」を思わせるからだという説もある。ミチタネツケバナはヨーロッパ原産の帰化植物でアブラナ科タネツケバナ属。
③セントウソウ
葉がセリのようで美味しそうだ。花が線香花火のように咲いている。江戸時代(文化6年)の『物品識名』という本にセントウソウという名前が出ているらしい。名前の由来は、①春の最初の頃“先頭”に花を咲かせるから、②葉に先が尖っているので“尖塔”、③仙人の住まい“仙洞”の近くに咲くからなどがある。
セリ科セントウソウ属。
④ヤマエンゴサク
花と葉っぱが瑞々しく可愛い。一番上にある苞の葉は切れ込んでいる。最初ジロボウエンゴサクかと思ったが、どうも茎が短い。エンゴサクの仲間は根を乾燥させて漢方薬として使われていた。その漢方薬の名前を“延胡索”といい、それが名前の由来になっている。ケシ科キケマン属。
⑤ ユリワサビ
春の沢沿いを歩くとこの花に出会いたくなる。冬の時季に根元を見ると葉柄の跡が残っていてそれがユリの鱗茎に似ているところから“ユリ”という名前がついている。葉を揉むとワサビの香りがするらしい。
アブラナ科ワサビ属。
⑥ アマナ
花が控えめで美しい。ナズナ、ヨメナなど野山で美味しく食べられる野草には“菜”という名前がつけられていた。昔は野菜として野草を摘んで食べていたという。アマナは球根を煮て食べると甘みがあるらしい。ユリ科アマナ属
⑦ ミヤマキケマン
株にたくさん花がついていると賑やかだが、少し咲いているとはかない感じがする。黄色い花は透明感があって美しい。葉は細かくリズミカル。ケマンは仏像のうちわ型の環からぶら下がったの装飾のことらしい。ケシ科キケマン属。
⑧エイザンスミレ
今年も出会えてよかった。淡紅色の花が美しいスミレ。葉が3裂して更に切れ込んでいるので比較的班別がしやすい。比叡山で初めて発見されたことから名づけられたと推測されている。
スミレ科スミレ属。
⑨ カントウミヤマカタバミ
期待して見に行くとこちらを向いている花が少ない。ミヤマカタバミと異なるのは葉の裏面に軟毛が少ないとのことなので、カントウミヤマカタバミと勝手に判断。ハート形の葉の上部は直線的V字型に見える。東京都レッドデータブック掲載。カタバミ科カタバミ属。
23区内では本物の「自然」がある「自然教育園※」を今月半ばの比較的暖かな陽気の中を歩いて来ました。その中で特に私の眼を、気持ちを引き付けられた4つの植物をお届けします。
「自然教育園※」・・正確には「国立科学博物館付属『自然教育園』天然記念物及び史跡(港区白金台)
季節の会 藤本誠一
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①「イチリンソウとニリンソウ」の見分け方
イチリンソウとニリンソウ(キンポウゲ科)
この2種類の見分け方は?・・・、と問われたら、それは名前のとおりイチリンソウは1輪の花を付ける、ニリンソウは2輪の花を付けるので簡単だ、と思われがちですが、それでは花を付けない時期、つまり葉っぱだけの時期はどうするの・・? いやいやむしろ葉だけの時期のほうが間違わないのです。何故かというとそれはニリンソウに原因があるのです。ニリンソウは一株から2本の花茎を出しますが、ふつう2本同時に開花しません。微妙に開花時期をずらします。なので花の数だけで見分けるとほとんどが「イチリンソウ」になってしまいます。(何故「ずらす」かはまた別の機会で・・)
それではどの部分を観るのかというと、花茎が出ているところの3枚の葉の葉柄の有無を確認すれば良いのです。葉柄が有れば「イチリンソウ」、無ければ「ニリンソウ」です。これでを覚えていれば、百発百中、間違え無し・・・。
クマザサ(イネ科)
クマザサはクマが生息していそうな山林に生育しているので「熊笹」・・、では無くて、葉の縁が秋の低温で枯れて立体感が出る「隈笹」です、と大方の図鑑ではこの様な解説をしています。ここまでは植物好きを自他認めている人であれば、「知っています」と言われるかと思いますが、意外と知られていない事は、春から夏、そして初秋までのクマザサの姿です。画像は真冬の「隈笹」と、そして夏の「クマザサ」です。
晩秋に「隈笹」になったクマザサは、今頃から縁だけではなくて全部枯れてしまいます。そして夏になるころにはすべて落葉してしまいます。そこで分からないのは一時期「隈笹」の姿になるのは、「クマザサ」にとって何かメリットがあるのでしょうか?
カタクリ(ユリ科)
人生で「片栗」を意識したのは、幼少期でした。もちろん現在のような植物としてではなくて、食べ物として。それも私が風邪を引いて発熱したり、食べ過ぎで下痢になったりして学校を休み、朝から床に伏せて終日うつらうつらした時に、母親が片栗粉にお湯を入れ、それに少々の砂糖を混ぜて飲ませてくれた事を、今でも鮮明に覚えています。もちろん当時は「片栗粉」が何由来のものなのか、そのとろみが何の作用からなのかなどは、考えたことさえありませんでした。
それから50年後に森林インストラクターの資格を取得して、再び「カタクリ」の名前に出会った時この植物が、種子から芽生えたひょろひょろな草が花を咲かせるまでに7~8年の歳月を要する事、また春の一時期(約2か月半)しか地上に現れていなくて、残りの9か月強は地中で過ごす事、それで「春の儚い妖精」の別称で呼ばれている事、現在では乱獲と生育に適した斜面地が開発によって失われた結果、多くの都道府県では絶滅危惧種に指定されている事などなど、全く別物として再び出会いました。
皆さんに於いても、植物に限らず、このような対象物の一つや二つあるのではないでしょうか・・・。
エゴノキ(エゴノキ科)
和名の由来はこの果実を口に入れると、喉や舌を刺激して「えぐい」ことで、それが「エゴ」になったと言われています。でもこの果実、食欲をそそるような姿形でも無く、また香りも特に無く、口に入れた人とはどのような人だったのですかね。
その事は置いといて、今回のエゴノキの話題は、画像にあるように「冬芽」の事です。
冬芽の背中に小さい膨らみがあるかと思いますが、これは「予備芽」と呼ばれているもので、もし主芽(おんぶしているほう)が野鳥などに傷つけられたとか、何らかの原因でこの先芽吹きが不可能になった時、この主芽に代わって「予備芽」が芽吹きをします。もし無事に主芽が芽吹き、普通に葉や花を出すことが出来た時は、予備芽は日の目を見ることなく、いずれ枯れてしまいます。一種の保険のような仕掛けですね。
この仕掛けはエゴノキの専売特許ではなく、多かれ少なかれ他の植物もしています。大掛りに予備芽を3つも4つも付けている種類もあります。
木々がすっかり葉を落としたこの時期になると、梢に目立つ丸い塊があります。ヤドリギです。高尾山の浄心門近くのケヤキにもたくさんついています。たいてい高い所にあるので、いつもはその姿を双眼鏡越しに見るばかり。これまで間近で見たことも触ったこともありませんでしたが、先日、雪の重み?でしょうか、運よく折れた枝を近くで見ることができました。
季節の会 福山容子
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ヤドリギ科ヤドリギ属のヤドリギは常緑の小低木で、漢字で書くと寄生木・宿木。文字通り樹木の枝や幹に寄生し、水分、栄養分をもらいながら成長する寄生植物です。ただ自分でも光合成をすることができるので正確には半寄生植物です。ヤドリギは冬になって寄主(ホスト=寄生する相手)が落葉すると、丸い形がくっきりと見えるようになります。反対にホストが葉を茂らせる春から秋の間には、ホストの葉に隠れて気配を消してしまいます。
ヤドリギの実は冬鳥のヒレンジャクやキレンジャクが好んで食べます。鳥の消化管ではヤドリギの実の粘液質を消化することができないので、フンとして粘液質に包まれた種子はそのままお尻から出てきます。そのフンが運よくぴとっとホストの枝や幹に付着すると、種子はホストの枝の表面に「寄生根」と呼ばれる根を伸ばして、水分や養分をもらいながらやがて発芽します。種子は地面に落ちても発芽できないそうですから、レンジャク類の種子散布がヤドリギの繁殖に大いに貢献しているようですね。
① 砧公園ではケヤキに付いています。
中央上部と右奥にひとつずつあるのが
見えます。
② 携帯のカメラを精一杯ズームするとこんな
かんじです。落葉した枝に青々と茂る様子
が分かります。
③ 標高千メートルの山地ではカエデの
仲間にヤドリギが付いていました。
④ 緑色の枝はよくしなり、ちょっとやそっとの
風には負けないぞというかんじです。
二つに分かれた先からまた二つに分かれを
繰り返し、一節ごとに毎年成長していきます
(二叉分枝)。
葉は革質で厚め。
全縁で葉脈はほとんど見えません。
⑤ 枝先に二枚の葉が展開し、その間に
ぽちっと見えているのが花芽です。
3月頃に花を咲かせます。淡黄色の
丸い果実も付いています。中に黒い
種子が入っているのがうっすら透けて
見えます。ヤドリギは雌雄異株なので、
実が付いているこの枝は雌木のもの
ですね。
⑥指で果実をつぶしてみました。中から粘液が
びよーんと糸のように伸び種子を覆っていま
した。その粘着力はかなりのもので、指を
振り払うぐらいでは取れませんでした。
この特殊な粘液がヤドリギの子孫繁栄の
戦略ポイントです。
⑦ヤドリギの実の黒い点々。 これははなんで
しょう。 中央の点は雌しべの痕跡で、周りを
取り囲む4つの点は4枚ある花びらの痕だ
そうです。にこっと笑っているようにも見えて
かわいいですね。
毎年1月の松の内にいつも観察会で訪れている高尾山周辺で初歩きをしています。この季節の狙いは氷の華シモバシラですが、暖冬のためかこの日も凛と冷えずただただ寒いだけ。これではシモバシラは出ません。スタートは日影沢ですが日影沢林道が凍っていなかったので、その時点でシモバシラは諦めました。それでは新年第一回目の季節の便りをお届けいたします。
季節の会 西野哲朗
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1. フユザンショウ ミカン科 サンショウ属
高尾山周辺では比較的個体数が少ないフユザンショウ。太くて鋭い対生の棘が目立ちます。種子は食べるものが少ないこの時期、メジロやヒヨドリなどに食べられたのでしょうか。果皮だけが残っていました。
2.オオバノハチジョウシダ
イノモトソウ科 イノモトソウ属
この時期は花を観ることができないため観察会で目につくのはシダ植物類です。オオバノハチジョウシダは常緑性のシダで葉身の長さは1mになる大型のシダです。頂小羽片の先端が少し長いように見えますが、羽片の先端に向かって徐々に小さくなっているのでオオバノハチジョウシダと判断しました。
3.ハナイカダの冬芽
ハナイカダ科(旧体系:ミズキ科)
ハナイカダ属
枝の色が紫がかった緑色で目が慣れれ
ばパッと見ただけでもわかるようになります。
枝先はしなやかに曲がりますので見つけたら是非触ってみてください。
4.キハダの冬芽 ミカン科 キハダ属
ちょっと遠かったため葉痕と側芽がよく見えずアップで撮れなかったのは残念でしたが、ピエロの横顔は何となくわかるかと思います。人気の冬芽ですね。
5.コゴメウツギ バラ科 コゴメウツギ属
5~6月頃小さな可愛い花をたくさんつけますのでとても分かりやすいと思いますが、冬になると分かりづらいですよね。でも冬芽そのものがわからなくても枝が平行に出ているものがありますので同定のポイントになるのではと思います。
6.サルトリイバラの果実
サルトリバラ科(旧体系:ユリ科)シオデ属
赤く熟した実が綺麗ですね。赤い実は落ちにくいこともありクリスマスリースにうってつけです。葉は成虫で越冬するルリタテハの幼虫の食草になります。
7.ガマズミの芽吹き
ガマズミ科(旧体系:スイカズラ科)
ガマズミ属
ガマズミは高尾山ではよく目にする樹木の一つです。花も楽しめますが冬の赤い実も綺麗です。何とまだ1月なのに芽吹いている個体がありました。ガマズミ属は枝の毛が見分けのポイントです。
8.ヤマハギの果実 マメ科 ハギ属
遠目では一見枯れた葉に見えてしまうため、見過ごしている方が多いかもしれません。一年を通して同じ山を歩くと綺麗に咲いた花が最後どのようになるのか観察することができます。
9.ヌルデの冬芽 ウルシ科 ヌルデ属葉痕に囲まれ毛に覆われた冬芽(側芽)が特徴的ですね。枝が太く葉痕も
大きいので羽状複葉だということがわかります。ヌルデは太陽の光を好む典型的な
先駆樹種の一つです。
10.マルバアオダモの冬芽
モクセイ科 トネリコ属
頂芽と二つの頂生側芽がバランスよくついている姿が特徴的です。皮目もよく見えます。芽鱗は一見無毛に見えますが粉状の毛に覆われています。冬芽の色は鼠色ですが、伝統色でいう鳩羽鼠(はとばねずみ)と呼ぶのだそうです。
素敵な呼び方ですね!
11.ミツバツツジ ツツジ科 ツツジ属早春にピンクがかった紫色の明るい綺麗な花を咲かせるミツバツツジ。冬芽もヤジロベエのように均整がとれた美しい姿をしています。頂芽(花芽)は水滴型で葉芽より大きく触ると少し粘りがあるのが特徴です。
冬の時期は寒くて出かける気にはなりませんね。でも冬は木々も落葉し、鳥が見やすくなります。天気の良い日を選んで、ぜひ自然の姿を観察してください。今回は鳥たちの紹介です。家の近くを散策しながら、良く見られた鳥たちです。紙面の都合ですべては紹介できませんが、来年はぜひ季節の会の観察会に参加して鳥見を楽しみましょう。
季節の会 内藤公雄
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ジョウビタキ《尉鶲》冬鳥
雄も雌も翼に白い斑があるのが特徴。漢字名の尉鶲の尉は「能楽の白髪の老人」や炭火の上の方が白い灰になっている様子。ハナミズキやピラカンサなどの果実もよく食べます。
ジョウビタキ(雄)
顔は黒い。頭頂から後頭の毛は銀白色。胸から腹、腰にかけて橙色の毛。
ジョウビタキ(雌)
目の周りの白いアイリングが目立つ。翼には白斑がある。
カワセミ《翡翠》留鳥
「水辺の宝石」ともいわれる。カワセミの細長い嘴は、水中に入るときの抵抗が少ない形になっており、新幹線500系車両や競技用カヌーの設計の参考にされている。
カワセミ(雄)
羽は青く輝く。羽の色は青い色素ではなく構造色。
カワセミ(雌)
下嘴は橙赤色。
ゴイサギ《五位鷺》留鳥
醍醐天皇に五位(貴族の階級の一つ)を与えられたか《五位鷺》。雌雄同色。夜行性のサギ。日中は水辺のヤブで休んでいる。
ゴイサギ(幼鳥)
幼鳥は星模様なので《星五位》という。
タシギ《田鷸》旅鳥・冬鳥
田んぼにいるシギだからタシギ。シギは嘴が長いのが特徴。太い線状の模様が目立ちます。昆虫の中にもシギの名前がつく、口が長いコナラシギゾウムシという虫もいます。
メジロ《目白》留鳥 雌雄同色
メジロは目のまわりが白いので《目白》。緑色の小鳥だがウグイスではありません。
ウミアイサ《海秋沙》 冬鳥 雄
カモ科アイサ属は、日本には4種が主に冬鳥として生息する。虹彩は赤く、長い冠羽があります。
ウミアイサ 雌
コガモ《小鴨》冬鳥 雄
日本で見られるカモで最小の大きさ。翼鏡は緑色。
コガモ《小鴨》 雌
トベラ 別名:トビラノキ
実は黄色っぽく、果皮が三つに裂け、中には赤く熟した粘り気のある種子があります。熟した赤い種子も鳥が食べるようですが、ねばねばした種子は嘴について運ばれるます。
トベラは根や枝に嫌なにおい(臭気)がすることから、節分の時に扉につけて魔除けに使ったようです。
ハゼノキ 別名:ロウノキ
ハゼノキは紅葉が美しい木です。実はろうを採取し、ろうそくに使用されています。ハゼノキはウルシの仲間で樹液に触るとかぶれるので要注意。メジロなどが採餌します。
11月、神奈川県内の里山からの季節の便りです。四季の変化が感じられます。まだ夏日が多く、それが原因なのかこの時期に咲くはずのない花もありました。
季節の会 高田裕司
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① はざかけ
収穫したお米を乾かしています。いわゆる「はざかけ」です。地域によって、様々なやり方がありますが、横浜市内では、この形が一般的。そろそろこの風景も終わりです。
② ヒイラギ
この時期に咲く花。白い小さな花が葉の脇に集まってついています。甘い香りがします。とげ状の鋸歯を持つ葉が特徴です。
③ ユウガギク
いわゆる野菊の一種。漢字では「柚香菊」と書き、葉を揉んで匂いを嗅ぐとゆずの香りがするとのことです。やってみると微かに香りがするような気が・・・・
④ コウヤボウキ
キク科の中でも珍しく草本ではなく落葉小低木。名前の由来は、高野山で茎を束ねてほうきの材料にしたことからとのこと。花の形もほうきをひっくり返したような形ですが、そこが由来ではないようです。
⑤ コシロノセンダングサ
頭花には数個の白色の舌状花がある点で,コセンダングサと区別できます。
⑥ オオジシバリ
通常、4月〜5月に咲くオオジジバリの花が、田んぼのあぜに咲いていました。いわゆる「狂い咲き」なのでしょうか?今年は暑さが長続きしていますね。
⑦ アキノエノコログサ
エノコログサよりも花季が遅く、花穂が長いです。エノコログサとは異なり、花穂が曲がるのが特徴です。
⑧ ヌルデの紅葉
ウルシの仲間であるヌルデの紅葉が始まりました。遠くからでも目立ちますね。
⑨ キブシの花芽
キブシの来年の花芽です。後ろにキブシの実が見えます。キブシは雌雄異株ですので、この花芽は雌花ということがわかります。
⑩ トキリマメの種子
赤色のさやが開いて2個の種子が見えています。マメ科で2個の種子が入るのは、トキリマメとタンキリマメの2種のみとのことです。
向島百花園を散策しました。夏の猛暑も少し和らぎ、やっと秋の気配を感じることができるように
なりました。
当百花園は江戸の町民文化と隅田川情緒によって築かれたことが最大の特徴だそうです。
季節の会 熊木
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キキョウ
桔梗。キキョウ科キキョウ属。つぼみが徐々に緑から青紫にかわり、裂けて星形の花を咲かせます。
オミナエシ
女郎花。オミナエシ科オミナエシ属。日本では万葉の昔から愛好され、前栽、切花などに用いられてきました。
フジバカマ
藤袴。キク科ヒヨドリバナ属。現代では自生種は少なくなっています。ヒヨドリバナと似ていますが、フジバカマは下部の葉が3裂することで区別できます。
シロバナハギ
白花萩。マメ科ハギ属。ミヤギノハギの変種と言われ花は白い色です。
ベニバナゲンノショウコ
紅花験(現)の証拠。フウロソウ科フウロソウ属。シロバナは東日本、ベニバナは西日本に多いとのこと。実がはじけた後の形が御神輿の屋根に似ているので別名ミコシグサと言われます。
カリガネソウ
雁金草。シソ科カリガネソウ属。青紫のつぼみをつけ、花柱と雄蕊は花の上に伸びます。
タイワンホトトギス
台湾杜鵑草。ユリ科ホトトギス属。西表島より南の南西諸島~台湾に自生。茎の上部が枝分かれし、上向きの花被片をもつ花が複数咲きます。
キイジョウロウホトトギス
紀伊上臈杜鵑草。ユリ科ホトトギス属。ホトトギス属の仲間では珍しい黄花種で、ゆるく垂れ下がった端正な姿を女官に例えて名付けられました。
トウゴウギク
東郷菊。キク科オオハンゴンソウ属。北アメリカ原種の多年草。名前は東郷平八郎元帥がイギリスから持ち帰ってこよなく愛したことからだそうです。
ミツバアケビ
三葉木通。アケビ科アケビ属。落葉性つる性木本で、果実は食用になります。
ボケ
木瓜。バラ科ボケ属。果実が瓜に似ており「木瓜(もけ)」とよばれたものが「ぼけ」に転訛したと言われています。
野川公園自然観察園を歩きました。この日も暑い一日でしたが、植物たちは少しずつ秋の姿へと移り変わっており、季節の変化を感じてきました。
季節の会 加藤
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ヤブラン(キジカクシ科ヤブラン属)
花被片6枚、雄しべは6本
フジカンゾウ(マメ科ヌスビトハギ属)
サングラスのような実ができています。
ヌスビトハギ(マメ科ヌスビトハギ属)
小さいけれどかわいい花です。
キンミズヒキ(バラ科キンミズヒキ属)
雄しべの数は10~13本(8~15本とも)。ヒメキンミズヒキは5~8本。
コボタンヅル(キンポウゲ科センニンソウ属)
葉は2回3出複葉。1回3出複葉ならボタンヅル。
ユウガギク(キク科シオン属)
群落ができていました。柚子の香りは感じませんでした。
ハダカホオズキ(ナス科ハダカホオズキ属)
葉陰にこっそりと咲いています。
シュロソウ(シュロソウ科シュロソウ属)
古い葉鞘が残ってシュロの毛のようにみえるのでシュロソウと名付けられました。
ガガイモ(キョウチクトウ科ガガイモ属)
蜜を求めてたくさんのアリが集まっていますが、アリは送粉の役割はほとんど果たさないのだそうです。残念!
ジュズダマ(イネ科ジュズダマ属)
雄花序から葯が出ているのが見えます。
シロネ(シソ科シロネ属)
地下茎が太く白いので白根。葉腋に小さい花をびっしりとつけています。雄しべが長く花柱が短い花を咲かせる株と、花柱が長く雄しべが短い花を咲かせる株があるとのこと。この株は2本の雄しべが突き出ていて、短花柱花のようです。
ハッカ(シソ科ハッカ属)
目が疲れたときに、葉をもんでまぶたに当てたので、別名メグサ(目草)。日本薬局方収載の薬用植物で、全草に芳香があり、葉からハッカ油が取れます。
タコノアシ(タコノアシ科タコノアシ属)
茹でダコになるまでにはもう少しかかりそうです。
イヌゴマ(シソ科イヌゴマ属)
果実の形がゴマに似るが利用価値がないので「犬胡麻」。
でも花は見応えがあります。
ミズタマソウ(アカバナ科ミズタマソウ属)
がく片2枚、先端の凹んだ花弁が2枚、雄しべ2本の2数性の花。雌しべは1本です。
カリガネソウ(シソ科カリガネソウ属)
花の形を鳥の雁が飛ぶ姿に見立てた名。別名ホカケソウ(帆掛け草)。下唇弁に昆虫がとまると、その重みで雄しべと雌しべが降りてきて昆虫の背中につき、受粉される仕組みになっています。
入笠山は長野県富士見町と伊那市にまたがる山で、日本三百名山に選定されています。
当日は抜けるような青空が広がり期待に胸を膨らませて行きました。
標高は1955mですが、ゴンドラで山頂駅まで一気に高度をあげることができます。
ゴンドラ往復券を買うと、散策ガイドBOOKをもらうことができ、それを片手に散策しました。
入笠すずらん山野草公園では、ヤナギラン、ユウスゲ、フシグロセンノウ、カラマツソウ、センジュガンピなどが咲き誇り、入笠湿原にはチダケサシ、マツムシソウ、クサレダマ、サワギキョウなどが咲いていました。
また花畑では珍しいシロバナノヘビイチゴ(苺の原種)の5ミリほどの赤い実が足元に実り、キバナノヤマオダマキ、ハクサンフウロ、ヨツバヒヨドリ、クガイソウなど数え切れないほどのお花たちを愛でることができました。
突然の雷があり危険防止のため、ゴンドラが止まるアクシデントがありましたが、無事に運行され下山することができました。期待以上のたくさんのお花たちに出会えて幸せな1日でした。
季節の会 小川
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①ヤナギラン(アカバナ科)
和名の 由来は、葉が柳に似ていて、花をランにたとえたことによるといわれています。
薬用ハーブ茶として親しまれ、日本でも健康食品向けの素材として販売されているようです。
②ユウスゲ(ススキノキ科
夕方に開花し翌日の昼には閉じるところからこの名がついたとのこと。
③カラマツソウ(キンポウゲ科)
日本の固有種で、低山地から高山帯下部にかけての湿り気のある日当たりのよい草地 、林の縁、高原などに生育する 。花は白いしべ(花糸)が目立ち、花弁や萼はない。花期は6~8月で、房状に咲く。
④センジュガンピ(ナデシコ科)
名前は日光中禅寺湖畔の千手ケ原にある
山輪王寺千手堂近くで発見されたという説
と、花びらの先が千手のように多く切れ込む
ことからという説がある。
⑤チダケサシ(ユキノシタ科)
花茎にチチタケ(乳茸)というキノコを刺して持ち帰ったことが名の由来とされます。
⑥マツムシソウ(スイカズラ科)
薄い紫色の花を咲かせる。名前から想像する姿とは違う柔らかな花は、高原に秋の訪れを
告げる高山植物。残暑厳しい都会を離れ、涼しい風が吹く高原に小さい秋を見つけに行きます。
⑦クサレダマ(サクラソウ科)
和名は マメ科 の レダマ に似て、草本であることに由来する。 別名、イオウソウ (硫黄草)
⑧サワギキョウ(キキョウ科)
山地の湿地帯に生える。水の流れに沿って群生する。全体に毒性の強いアルカロイドを持つ
有毒植物でもありますので、注意が必要。
⑨キバナノヤマオダマキ(キンポウゲ科)
苧環(おだまき)は紡いだ麻糸を丸く巻いたもので、花の形がそれに似ている。
⑩エゾカワラナデシコ(ナデシコ科)
花の可憐さから「愛しい子」を表す「撫でし子」が名の由来。撫でるほどかわいい子からついたとも。
⑪クガイソウ(オオバコ科)
名は葉が数段層になってつけることに由来
する。
⑫クサボタン(キンポウゲ科)
日本固有種で、本州全体に広く分布し、山地の草原や林縁などに生育する。
葉の形がボタン(牡丹)の葉に似ていることからその名前がついたといわれる。
夏到来!ということで、三浦半島へ海辺の植物観察に行ってきました。
うだるような暑さに人間は弱りがちですが、海辺ではカラフルで元気な花々に会えました。
乾燥や強風にも負けないような工夫や作戦を立てながら、渚でたくましく生きる植物たちですが、
大型台風が来ると根こそぎやられることもしばしば。台風の到来が少ない年は安泰かというと、
そうでもなくて、陸地からの植物が繁茂して生育場所を追われるのだとか。…甘くない。
過酷な環境の中でもせっせと花を咲かせる、そんな夏の海辺の花たちを少しだけ紹介します。
季節の会 伊藤
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スカシユリ…ユリ科ユリ属
花弁の下方に隙間があることからスカシ(透かし)ユリ。急傾斜の崖地では、茎は横向きにだらりとしているものの、花だけはいつも上向き、上昇志向さん。
ハマボッス…サクラソウ科オカトラノオ属
浜辺で花の咲く姿を仏事に使うボッス(払子)に見立ててついた名前。少し前に咲いた株は赤い果実をつけていました。海浜植物は、初夏から‘だらだら咲く’ことも特徴のひとつです。
ハマナタマメ…マメ科ナタマメ属
種子を海流散布するというのも海浜植物の特徴のひとつ。ハマナタマメも海流散布する植物で、太平洋側では三浦半島あたりが北限とされます。
ハマオモト…ヒガンバナ科ハマオモト属
こちらも海流散布する植物で、古くからハマユウの名で詩歌に詠まれています。夕方から夜にかけて咲く夜型で、完全に開ききる真夜中には甘い香りもピークになるとか。
ハマカンゾウ…ユリ(ワスレグサ)科
ワスレグサ属
こちらは、早朝に咲いて夕方にしぼむ1日花。夏の盛りに次々と咲かせる姿に元気をもらいました。
ハマサオトメカズラ…アカネ科ヘクソカズラ属
あの‘ヘクソカズラ’の海岸型(変種)。葉は厚めで光沢があること以外、ヘクソカズラにそっくり…でもよかったね、洒落た名まえをつけてもらって。
テリハノイバラ…バラ科バラ属
名まえの「照葉」どおり、こちらも光沢がある葉が特徴的。ひたすら地面を這いまわる生き方で、立ち上がらず…初志一徹。ノイバラよりちょっと大きめな花から清々しい香りが漂っていました。
ハマゴウ…シソ科ハマゴウ属
ほふく性の落葉小低木。葉を線香の原料にしたことが名前の由来。葉や茎を揉むとミントに似た爽やかな香りがします。秋に熟した果実は海水に浮く、そう、こちらも海流散布です。
イワダレソウ…クマツヅラ科イワダレソウ属
ほふく性の多年草で、ワレモコウのような穂状花序に花を咲かせます。地表をよく這うことから、グランドカバーや砂漠緑化などで注目されている植物です。
ツルナ…ハマミズナ科ツルナ属
太平洋の海岸砂地に生える多年草で、古くから食用にされています。ハマボウフウやオカヒジキなど、食べられる種類が多いのも海浜植物の特徴です。
ハマナデシコ…ナデシコ科ナデシコ属
園芸種が多いナデシコの仲間ですが、こちらは日本自生種。花弁のふちのギザギザがポイント。